水素の医療応用 – 作用メカニズム

 水素水の飲水によって肝臓の酸化—還元に関連する遺伝子レベルに変化
学術雑誌名 Biosci. Biotechnol Biochem., 2011; 75(4) 774-6
表題 Hepatic oxidoreduction-related genes are upregulated by administration of hydrogen-saturated drinking water(肝臓の酸化還元関連遺伝子が水素飽和水の飲水によって上昇する)
著者 Y. Nakai et al(東大・農)
概要 ラットを用いて肝臓の遺伝子発現に対する分子水素(H2)飽和水の飲水の影響を検討した。DNA マイクロアレイ法により分析した結果、4週間の飲水で548の遺伝子が増幅され、695の遺伝子が減少した。解析の結果、hydroxymethylglutaryl Co A reductase を含む酸化還元—関連タンパク質の遺伝子が有意に増幅されていた。
水素の生理作用の化学反応機構に関する仮説
学術雑誌名 Med. Gas Res.,2011,2:17 doi:10.1186/2045-9912-2-17
表題 A hypothesis on chemical mechanism of the effect of hydrogen(水素の生理的効果の化学反応機構に関する仮説)
著者 S. Penghui et al(甘粛農業大、中国)
概要 分子水素(H2)は抗酸化ストレス、抗炎症やその他の防御効果が多くの生理機能など報告されている。大沢らによってH2はOH・ラジカルを選択的に直接除去する作用があることが報告されているが最近の新たな試験結果の中にはこの作用だけでは説明できないものも報告されてきた。本報ではH2がリガンド(配位子)として金属と結合するという仮説によって広範な生物反応が説明できることを提唱する。H2はM-H2反応によって特定の金属たんぱく質を制御し、その結果活性酸素(ROS)の代謝と情報伝達に影響を与える。金属たんぱく質はH2の標的分子の一つであり、金属イオンはH2分子に対する適切な結合サイトとして機能していると考えられる。当該仮説は水素分子の機能を明らかにする新たな指針を示した。
分子水素は酸化ストレス抑制と合わせて新たな機作により軟骨細胞を守る
学術雑誌名 Medical Gas Research,2011,1:18
表題 Molecular hydrogen protects chondrocytes from oxidative stress and
indirectly alters gene expressions through reducing peroxynitrite derived from nitric oxide
著者 T. Hanaoka et al(日本医科大学)
概要 分子水素(H2)は酸化ストレス、炎症、アレルギー等の動物モデル及びヒトの臨床において多彩な防御機能があることが報告されている。本研究では分子水素(H2)の抗酸化作用に加えて新たな生理機能を解明する目的で水素がNO・(酸化窒素)からできるONOO-の減少を介して間接的に遺伝子発現制御に関わっている可能性を検討した。
水素の新たな標的分子:水素(H2)は情報伝達系の分子の作用を調整して新たな作用を発現する
学術雑誌名 Biochem. Biophys. Res. Comm., 411(2011) 143-149
表題 Molecular hydrogen inhibits lipopolysaccaride/interferon γ-induced nitric oxide production through modulation of signal transduction in macrophages(訳:分子水素はマクロファージの情報伝達系を調整する事によってLPS/インターフェロンγで誘導される一酸化窒素(NO)産生を阻害)
著者 T.Itoh et al.(岐阜国際バイオ研究所、近畿大学、中部大学、名古屋大学他) 
概要 これまで分子水素(H2)が多くの疾患に有用である事が報告されている。その作用機作としては多くは酸化ストレスの抑制作用として説明されてきたがそれだけでは説明できない事例も認められている。
水素(H2)は酸化ストレスを抑制してミトコンドリア病を改善
学術雑誌名 Biochim. Biophys. Acta, doi:10.1016/j.bbagen.2011.05.006
表題 Molecular hydrogen is a novel antioxidant to efficiently reduce oxidative stress
with potential for the improvement of mitochondrial diseases(訳:分子水素は酸化ストレスを効率的に抑制する新たな抗酸化剤としてミトコンドリア病を改善する)
著者 太田成男(日本医科大学老化科学研究所)
概要 ミトコンドリアは主たる酸化ストレスの起源であり、酸化ストレスは組織障害を起こし多くの疾患や、ガン、老化の引き金となる。
水素水投与によりラットの肝臓の酸化還元に関係する遺伝子が増加
学術雑誌名 Biosci. Biotechnol.Biochem., 75 (4), 100819-1-3, 2011
表題 Hepatic Oxidoreduction-Related Genes Are Upregulated by Administration of Hydrogen-saturated Drinking Water(水素飽和水投与により肝臓の酸化還元関連遺伝子が上昇する)
著者 Y. Nakai et al(東京大学、神奈川科学アカデミー)
概要 分子状水素(H2)飽和水投与による肝臓の遺伝子発現に対する効果についてラットを用いて検討した。DNAマイクロアレイ法により水素水投与4週間後の肝臓の遺伝子変化を調べた結果、548の遺伝子が上昇し、695の遺伝子が低下した。
NASA(アメリカ航空宇宙局)が水素水に注目
学術雑誌名 Medical Hypothesis,(2010),doi : 10,1016/j.mehy.2010.08.046
表題 Hydrogen therapy may reduce the risks related to radiation-induced oxidative stress in space flight(宇宙飛行において放射線でおこる酸化ストレスのリスクを水素療法で軽減できるかもしれない)
著者 M.P. Schoenfeld, A.Nakao et al. (NASA(アメリカ航空宇宙局) & ピッツバーグ大)
概要 宇宙の放射線は 酸化ストレスを誘発してDNAや脂質に障害を起こすことが知られており宇宙飛行における重大な未解決課題である。 水素は生物医学の領域で最近新たな治療用医療ガスとして発見され、優れた抗酸化作用と抗炎症活性を有することが明らかになってきた。
治療用途の抗酸化作用を有する医学ガス
学術雑誌名 J.Clin. Biochem. Nutr., 1-13,January 2009
表題 Therapeutic Antioxidant Medical Gas
著者 中尾篤典他(所属機関 ピッツバーグ大学外科スターツル研究所他)
概要 医学ガスは、医療用として新たな用途に用いられる薬用ガス分子であり、 O2, N2O のようなこれまで使用されてきたものに加えて、最近新たに生物的情報伝達分子としての役割が発見された。
水素(H2)の抗酸化治療物質としての有用性
学術雑誌名 Nature Medicine(電子版)、2007年5月7日にオンライン発行
表題 Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals (水素は、酸素ラジカルの細胞毒性を選択的に還元することにより、治療用抗酸化物質として作用する)
著者 太田成男 他 (日本医科大学老人病研他)
概要 急性の酸化ストレスは、深刻な組織損傷を引き起こし、持続性の酸化ストレスは癌など、 多くの一般的な疾患の原因の一つであることが認められている。
水素水のマウス脳における抗酸化作用
学術雑誌名 Food Style21, Vol.13, No.1, p36~39(2009)
表題 水素水の飲用は脳の活性酸素を除去
著者 石神昭人(東邦大学薬学部)オリジナル文献:Sato.,et al,: Biochem.Biophys.Res.Commun., 375, 346(2008)
概要 マウスはヒトと違って、ビタミンCを体内で作ることができ、脳で活性酸素処理に活用している。 遺伝子操作により、ビタミンC合成不全マウス(SMP30/GNL遺伝子破壊マウス)を作製し、脳を酸化ストレス状態にして、水素の脳における活性酸素抑制機能を検討した。 高濃度水素溶解精製水を開発し、飲水により1カ月間摂取させ、ビタミンC水、水のみの群とリアルタイムに比較した。 この結果、水素水は水のみの群に比べて、ビタミンC欠乏による脳内の活性酸素の増加を約27%抑制することがわかった。 本研究に用いた高濃度水素溶解水は、活性酸素が一因である糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病や、 アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防に、手軽に飲める飲用水としてその効果が期待できる。