免疫、アレルギー、感染症

高濃度水素含有水はリウマチ患者の症状を改善
学術雑誌名 Med. Gas Res.2012, 2:27
表題 Consumption of water containing a high concentration of molecular hydrogen reduces
oxidative stress and disease activity in patients with rheumatoid arthritis: an open-label pilot study(高濃度分子水素含有水投与によりリューマチ患者の酸化ストレスと疾患活動性が減少する:非盲検試験)
著者 T. Ishibashi et al(原土井病院、福岡)
概要 背景:リウマチ関節炎(RA)は骨や軟骨の崩壊を特徴とする慢性の炎症性疾患である。その病因については不明であるが活性酸素のヒドロキシルラジカル基(OH・)が関与していることが示唆されている。分子水素(H2)はOH・を選択的に消去することが報告されている。著者らは高濃度水素水の製法を開発し、水素水がRA患者の酸化ストレスを軽減することによってRAに対する従来の治療法の補充療法になるとの仮説のもとに本研究を行った。 方法:20人のRA患者に対して4~5ppmの高濃度水素水を530 ml/日を4週間与えたのち、4週間の洗浄期間を置き、さらに4週間同じように水素水投与を行った。尿中の活性酸素産物である8-hydroxydeoxyguanine(8-OHdG)および疾患活動性の血中マーカーであるC-反応性タンパク(CRP)を各終了時に測定した。 結果:高濃度水素水飲水によって体内水素は飽和濃度である1.6ppmを超えた。最初の4週間摂取で尿中の8-OHdGおよび血清中CRPは有意に減少した。次の4週間摂取ではCRPはさらに減少したが8-OHdGは更なる減少はなかったが基準値以下の低値を維持した。発症初期(12か月以内)の5人の患者では明らかな改善が認められ、そのうちの4人は試験終了時には完全に症状が無くなった。 結論:ヒドロキシルラジカル基(OH・)消去作用を持つ高濃度水素水はRA患者の酸化ストレスを抑制し、その症状を改善した。
分子状水素は情報伝達系を介してアレルギーを抑制
学術雑誌名 Biochem.Biophys.Res.Comm., DOI : 10.1016/j.bbrc.2009.09.047
表題 Molecular hydrogen suppresses Fcε RI-mediated signal transduction and prevents degranulation of mast cells(分子状水素は免疫系のFcε-RIを介する情報伝達系を抑制して肥満細胞の脱顆粒を阻害する) 
著者 Itoh,T et al(岐阜国際バイオテク研究所、名古屋大学医学部他)
概要 分子水素は酸化ストレスによって起こる疾患を防止する事が知られている。 著者らは分子水素を含む水素豊富水摂取によってマウスの急性アレルギー反応を抑制する事を明らかにした。
水素ガスがマウスの多菌性敗血症に対して有効
学術雑誌名 Shock,2010 Jul; 34(1):90-97
表題 Protective effect of Hydrogen gas on murine polymicrobial sepsis via reducing oxidative stress and HMGB1 release(マウス多菌性敗血症に対して水素ガスは酸化ストレスの軽減及びHMGB1放出を介して防御作用を示す)
著者 Keliang Xie et al(天津医大他)
概要 重症敗血症は抗生物質の進歩にも拘わらず死因の多くを占めている。敗血症の病原性には反応性酸素分子(ROS)が重要な役割をしている。 水素分子(H2)は・OHラジカルを選択的に軽減して抗酸化作用を示す事が報告されている。本研究では盲腸結札と穿刺法(CLP)によって作成したマウス敗血症の生存率に対して水素吸引が有効であるか検討した。 CLPによる敗血症は多臓器障害を起こすが水素ガス吸引により濃度及び処理時間依存的にこれらの障害が改善 ( 肺 myeloperoxidase、気管支肺胞症、酸化ストレス産物、病理所見、血清マーカー、抗酸化酵素の上昇、高移動性BOX1(HMBG1)の減少等)し、有意に生存率が上昇した。 水素ガスは敗血症患者に応用できる事が示唆された。